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Tohoku-RITM Collaborating Research Center on Emerging and Reemerging Infectious Diseases



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  • 東北大学大学院医学系研究科は、2008年、「感染症研究国際ネットワーク推進プログラム(Japan Initiative for Global Research Network on Infectious Disease: J-GRID)の一環としてフィリピン熱帯医学研究所(Research Institute for Tropical Medicine:RITM)に「東北大学・RITM新興・再興感染症共同研究センター(フィリピン拠点)(Tohoku-RITM Collaborating Research Center on Emerging and Reemerging Infectious Diseases)を設置しました。2015年より、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「感染症研究国際展開戦略プログラム(J-GRID)」に移行され研究を継続しています。基礎微生物学および公衆衛生学の観点より感染症をコントロールする為の科学的データを示す事を目的として掲げ、RITM駐在の日本人研究者が中心となり、RITM研究者および現地保健行政担当者とともにフィリピン各地で新興・再興感染症研究を行っています。




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拠点紹介 About us

メッセージ

フィリピンにおいては感染症が保健衛生分野の最大の問題であるにもかかわらず、その実態が把握されていないという現実があります。本拠点で得られた結果は、今後フィリピンが持続可能な感染症対策を確立するのに大きく貢献するものと期待されます。さらに、これらの結果は国際機関等を通して他の途上国へも応用可能なものです。また、本拠点では若手研究者に研究プロジェクトの中心的な役割を担わせており、彼らが将来、世界の感染症対策のリーダーとなることが期待されます。

Research Institute for Tropical Medicine (RITM)

Research Institute for Tropical Medicine (RITM・国立熱帯医学研究所)は、1979年日本国政府とフィリピン国政府の間で熱帯医学研究所の設立に関する合意書が交わされた後、1981年JICAによって設立されました。当初研究棟と50床の病棟が建てられ、後に動物研究施設(1984年)、熱帯感染症研究のトレーニングセンター(1989年)、さらに2002年にはNationalTuberculosis Reference Laboratoryが建てられ、国内の地方の医療従事者に対するトレーニングやワークショップなどを開催できるキャパシティーができました。RITM(国立熱帯医学研究所)はフィリピン保健省において感染症や熱帯病に関する研究を中心となっておこなう役割を主とし、感染症のナショナルリファレンスラボラトリーとしての機能も担っています。さらに近年のSARSやインフルエンザA(H1N1)pdm09といった新興・再興感染症の流行時の指定病院としても機能しています。

スタッフ

フィリピン(駐在)拠点スタッフ
中川惠美子

日本(東北大学)スタッフ
押谷仁・斉藤繭子・神垣太郎・岡本道子・Clyde Dapat・齊藤[小畑]麻理子

RITMスタッフ
Socorro P. Lupisan・Lydia T. Sombrero・Amado O. Tandoc・Beatriz P. Quiambao・Edlwisa S. Mercado


拠点紹介 About us

Project 1:下痢症の原因ウイルスの抗原性と
          伝播メカニズム解明のための分子疫学研究と診断系の開発

急性胃腸炎起因ウイルスのうち、世界的流行や重症感染例を認めるノロウイルスと、ロタウイルスワクチン導入後、近年重要性が指摘されているサポウイルスについて、コホート調査を通じて乳幼児の感染頻度、家族内感染、不顕性感染の実態を明らかにし、コミュニティにおけるウイルス伝播の特徴を明らかにするとともに、疫学データとリンクされた臨床検体バンクを構築し、診断方法の開発に役立てることを目的とする。

Project 2: 小児肺炎、特にRSウイルスの
          臨床・疫学研究の実施と新たな診断治療薬の評価

RSウイルスに対する有効な医薬品としては発症予防のためのモノクローナル抗体製剤が実用化されているのみである。しかし、モノクローナル抗体製剤は高価であることから、広く使用されていない。現在、RSウイルスに対して新たなワクチン・抗ウイルス薬などが開発されているが、より有効な対策を確立するためにはさらなる臨床及び疫学データを蓄積する必要がある。本研究ではRSウイルスの病態・疫学などの全体像を明らかにするためのコホート研究を主体とした臨床・疫学研究を行い、その結果を新たな診断治療薬の開発につなげる。

Project 3: 蚊媒介性感染症の分子疫学的解析

デング熱はフィリピン全土に蔓延しており、毎年雨期に大規模な流行を起こす。加えて、近年チクングニヤ熱の流行が広い地域で確認されている。さらに、中南米で大きな問題となっているジカウイルスについては、フィリピンにおける感染例が報告されているものの実態は不明である。これらの蚊媒介性感染症の流行状況を把握するため、得られた検体をフィリピンナショナルサーベイランスと協力して、各地で流行しているデングウイルス、チクングニヤウイルスの遺伝子解析をおこない、データベースを構築する。

Project 4: 薬剤耐性菌の分子疫学調査と迅速診断法開発による
                      感染制御システムの確立

フィリピンを含む途上国における薬剤耐性菌の発生状況の把握は、我が国の薬剤耐性菌対策のためにも重要であり、本研究ではフィリピン国内におけるカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)及び基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生グラム陰性桿菌の詳細な分子疫学調査を実施し、優位な耐性クローンを見出し、それらのクローンに対してフィリピン国内の医療施設で実施可能な迅速診断法を開発することで、CRE及びESBL産生菌に対する感染制御、日本の薬剤耐性菌データベースの拡充に寄与することを目的とする。

Project 5: 研究基盤の整備・維持、発展的研究の実施

特に高いレベルの臨床研究・疫学研究が実施できる研究基盤を整備・維持していくことを目指す。また、熱帯感染症や感染症のフィールド研究を経験する機会の少ない日本の医療従事者・若手研究者のために、熱帯地域における臨床研究・疫学研究の研修の場として本拠点を活用する。さらに国際的に脅威となる感染症に対応できる人材の育成を目指す研修のための体制を整備するとともに、それぞれの分担研究開発課題に含まれないその他の優先度の高い感染症(インフルエンザ・日本への波及リスクの高い感染症)に関する研究の推進、プロジェクトの総合的推進を図る。