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2009年に発生したパンデミック(H1N1)2009が記憶に新しいが、これ以外に20世紀に入ってから新型インフルエンザとして1918年にスペインかぜ、1957年にアジアかぜ、1968年に香港かぜ が発生した。いずれも世界的流行となったが、とくにスペインかぜの際には世界では約4000万人、わが国では約39万人が死亡したと推定されている。
パンデミック(H1N1)2009の際にも様々な対策が行われた。公衆衛生レベル、医療レベルあるいは個人レベルにおいて様々な対策がとられたこととともに、流行したインフルエンザが季節性と、総じて同程度の伝播力であったこと、重症度が高くなかったことなどの要因により我が国では死亡率を低いレベルにとどめることが出来たが、病原性の程度や疫学的状況に基づく柔軟な対応が出来なかったこと、対応戦略を移行するための意思決定プロセスやコミュニケーションが不十分であったことなどの反省点や課題点があげられた。 次のパンデミックがいつ起こるのかを予測することは出来ない。また発生するパンデミックがインフルエンザのどの型によるのかその社会的なインパクトの程度など予測できない。一方で対策を立てなければその被害が拡大することは明確である。また自然災害や他の感染症アウトブレイクとは違い、発生地と非発生地が明確に分かれないということが総合的な新型インフルエンザ対策の推進を進める1つの理由であると考えられる。そのために個人レベル、医療機関、地方自治体、国およ び国際的な対応などを事前に十分準備しておく必要がある。 本サイトは事前準備の議論を推進するために現在までに明らかになっているインフルエンザの伝播経路および新型インフルエンザ対策に関する知見をまとめることを目的としている。なおこの構築は、平成23年度厚生労働省科学研究費補助金新型インフルエンザ等新興再興感染症研究事業「新型インフルエンザ発生時の公衆衛生対策の再構築に関する研究」(主任研究者 押谷仁 東北大学大学院医学系研究科)の一環として行われた。
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